脳卒中センター
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脳卒中とは
脳卒中は、脳の血管が急に破れたり、血管が詰まって脳への血液が途絶したりすることで、様々な症状を起こす病気です。脳血管障害とも呼ばれます。
脳卒中は、血管が破れる脳出血と血管が詰まる脳梗塞とに大別されます。脳出血は、脳の組織自体に出血が起こる実質内出血と、脳動脈瘤が破裂することが主な原因となって、脳の表面であるクモ膜下腔に出血が起こるクモ膜下出血に分けられます。脳梗塞は血管が詰まる原因から、心原性脳塞栓症、アテローム血栓性脳梗塞、ラクナ梗塞、その他の脳梗塞という臨床病型に分類されます。
脳卒中センターについて
脳卒中は、脳の損傷によって意識障害や半身麻痺、言語障害などの重い障害が残ったり、時には死亡につながる重大な病気です。脳卒中は緊急で対応・治療しなければならない病気が多く、当院では脳神経外科、脳神経内科が共同して脳卒中センターを開設し迅速に対応できる体制をとっております。
日本脳卒中学会では、脳卒中の治療を24時間365日可能な施設がどこであるかを一般市民や医療従事者にも分かるようにするために、「一次脳卒中センター」として認定し、公表しています。当院はその「一次脳卒中センター」に認定されているほか、自施設で24時間カテーテル治療を行うことができる「一次脳卒中センター(PSC)コア施設」に認定されております。「一次脳卒中センター(PSC)コア施設」は当院を含めて県内に5施設しかありません。当院は県北地域の脳卒中治療のセンター的役割を担っており、受け入れ件数は福島県北地域では最多です。
医療機器について
採用している医療機器については以下のURLからご覧いただけます。
https://www.fukushima-med-jrc.jp/section/data/neurosurgery_devices.pdf
施設認定
- 日本脳神経外科学会認定専門医研修施設
- 日本神経学会準教育施設
- 日本脳卒中学会認定研修教育施設
- 日本脳卒中学会認定一次脳卒中センター(PSC)コア
- 日本脳神経血管内治療学会認定研修施設
- フローダイバーター実施施設
- Onyx液体塞栓システム実施施設
特長・特色
24時間365日、急性期脳卒中を発症した市民を受け入れる。
- 近隣の医療機関からの脳卒中患者さんのご紹介を積極的に受け入れています。
- 当院へ搬入後、無駄なく診断・治療を行うための体制を整えました。特に搬入から画像診断(頭部MRI検査)を実施するまでの時間を大幅に短縮することにより、発症4.5時間以内の超急性期脳梗塞に対するt-PA静注療法は、福島市随一の実績を誇ります。
- 脳卒中を発症した皆さんは、ハイケアユニットもしくは脳神経内科・脳神経外科病棟で専門的な治療を受けて頂きます。
入院された患者さんを一人でも多く社会復帰できるように、チーム医療を展開する。
脳卒中診療においてチーム医療は不可欠です。当院では、医師、看護師、薬剤師、リハビリテーション療法師、栄養士、ソーシャルワーカーなどと協力しチーム医療を提供しております。脳卒中の患者さんは、糖尿病など全身疾患を合併していることが多いため、必要に応じて関連診療科と協力しながら診療にあたる体制をとっています。また福島県北地域のリハビリテーション専門施設(回復期リハビリテーション病棟をもつ5病院)と連携し、当院での急性期治療終了後に切れ目なく専門的なリハビリテーションを開始することが出来る体制を構築しています。
高度先進医療をより多くの皆さんに提供する。
脳卒中センターの重要な使命のひとつは、高度な先進医療を一人でも多くの市民の皆さんに提供することです。当院には、脳外科専門医、脳神経内科専門医に加え、脳卒中専門医・指導医、脳卒中の外科技術指導医・専門医、脳神経血管内治療指導医・専門医の資格を有する医師が複数在籍しております。血管内治療においては、県内に3カ所しかない脳血管内治療研修施設の一つで、最新の高度な治療を提供可能です。内科治療のほか、開頭手術と血管内手術のどちらが患者さんにより適した治療なのかを慎重に検討し、画一的な治療ではなく、患者さんお一人お一人に最も適したテーラーメイド的治療を施行するように心がけています。
脳卒中は一度発症してしまうと、重い後遺症や生命に関わる怖い病気です。そのため予防に努めることが重要です。高血圧、糖尿病、高脂血症等の内科的管理や、禁煙、運動等の生活管理が有効です。また当センターでは、破裂する前に偶然見つかった脳動脈瘤や、脳血管の狭窄に対しての予防的外科治療・血管内治療も多く行っております。健診や脳ドック等で異常を指摘された場合には脳神経内科・脳神経外科の外来にお問い合わせください。
当センターで提供している専門診療の一部を紹介します。
- 発症4.5時間以内の超急性期脳梗塞に対するt-PAを用いた経静脈的血栓溶解療法
- 急性期脳梗塞に対する血管内治療(機械的血栓回収術)
- 左:治療前。矢印の部分に血栓が詰まって閉塞しています。
- 中:治療後。血栓が除去され、脳の血流が再開しています。
- 右:回収された血栓。
- くも膜下出血に対する開頭手術と血管内手術(より適切な治療法を施行する)
- 未破裂脳動脈瘤に対する開頭手術と血管内手術(コイル塞栓術、フローダイバータ留置術)
- 左:治療前
- 右:治療後
- 内頸動脈狭窄症に対する血管内手術(ステント留置術)、外科手術
- 左:治療前。矢印のところで血管が狭くなっています。
- 右:治療後。
- 血管病変に対する血管内治療
- 左:治療前。矢印のところに血管の異常があり動脈と静脈がつながっています。
- 右:治療後。血管の異常は描出されにくくなりました。
- 脳内出血に対する内視鏡的血腫除去術
- 左:治療前
- 右:治療後
- 手術を安全に行うための各種モニタリング